LECで予備試験から司法試験を目指す

(11.5)平成27年度新司法試験の結果が発表されました。

合格された方おめでとうございます!!

合格者は394名でした。
対受験者合格率は3.81%でした。

平成27年司法試験予備試験結果


平成27年度(2015年)新旧司法試験最終結果
区分予備試験司法試験
出願者数 12,543名 (12,622名) 9,072名 (9,255名)
受験者数 10,334名 (10,347名) 8,016 名 (8,015名)
受験率 82.4% (82.0%) 88.4%(87.5%)
短答合格2,294名 (2,018名) 5,308名 (5,080名)
論文合格428名 (392名)  
合格者数 394名 (356名)  1,850名 (1,810名)
合格率 3.81% (前年:3.44%:対受験者)
3.14% (前年:2.82%:対出願者)
23.1% (前年:22.6%:対受験者)
20.4% (前年:19.6%:対出願者)
各種データ 結果 - 参考資料  合格者数 - 合格率 - 地域別  
備考カッコは去年のデータ。合格率は合格者数÷受験者数
詳細情報法務省:プレスリリース - 試験結果について

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◆司法試験予備試験難易度

司法試験予備試験の難易度について、合格率など試験統計や、司法試験の結果をもとに分析しています。

予備試験の試験結果統計による難易度分析

試験について

司法試験予備試験には、短答式試験、論文式試験、口述試験の3段階試験となっています。

論文式試験は、短答式試験に合格しないと受験することができず、また口述試験は論文式試験に合格しないと受験することができず、さらに口述試験に合格して最終合格となります。

最終合格者には、法科大学院に行かずに司法試験の受験資格が与えられます。

司法試験は短答式試験と論文式試験からなるのに対して、予備試験は口述試験もあり、段階的に合格する必要がありますので、試験日程的(出願1月、短答5月、論文7月、口述10月、発表11月)に1年にも及ぶことになり、試験準備期間も含めて数年単位に及ぶことになるかと思います。


受験地・試験会場は、短答式試験は全国主要大都市で行われますが、論文式試験は、札幌、東京、大阪、福岡の4都市、口述は東京のみで、泊りがけの受験になることになる方も多いかと思われます。

受験手数料は17,500円ですので結構な高額受験料となっています。

独学は難しいでしょうから、予備校に通う事になるかと思いますが、有名予備校の受講料を見てみると100万円弱と、法科大学院に通うよりは経済的かもしれませんが、高額となっています。


司法試験予備試験問題

司法試験予備試験でどのような問題が出題されているのか法務省のホームページで公開されています。

試験問題を見て、個人差はありますが、どれくらいの難易度があるかわかるかと思います。


司法試験予備試験短答式試験について

短答式試験は毎年5月に行われます。

試験科目は憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法、一般教養科目と、かなりの試験範囲となっています。

全ての科目を朝の9時ごろから17時半まで、1日で終了します。試験時間はトータルで、5時間です。


短答式試験の合格率

司法試験予備試験短答式試験合格率推移
年度 出願者 受験者 短答
合格者
対受験者
合格率
対出願者
合格率
2015年(H27) 12,543 10,334 2,294 22.2% 18.3%
2014年(H26) 12,622 10,347 2,018 19.5% 15.9%
2013年(H25) 11,255 9,224 2,017 21.9% 17.9%
2012年(H24) 9,118 7,183 1,711 23.8% 18.8%
2011年(H23) 8,971 6,477 1,339 20.7% 14.9%
合計 54,509 43,565 9,379 21.5% 17.2%
平均 10,902 8,713 1,876

短答式試験には、平均して2,000人弱合格しており、対受験者で2割以上が合格してます。

平均して10,000人が出願し、9,000人弱が受験しているうちの2割強が短答式試験に合格する試験ということで、5人に1人以上は合格していますが、8割近くは不合格になる試験です。


短答式試験の配点、合格点、平均点、合格者の得点率

司法試験予備試験短答式試験の合格点や平均点の推移
年度 配点 合格点 平均点 合格者平均点 合格点得点率 合格者平均点得点率
2015年(H27) 270 170 138.7 187.5 62.9% 69.4%
2014年(H26) 170 137.3 185.7 62.9% 68.8%
2013年(H25) 170 139.5 185.3 62.9% 68.6%
2012年(H24) 165 134.7 184.1 61.1% 68.2%
2011年(H23) 165 130.7 184.7 61.1% 69.5%
平均   168 136.2 185.5 62.2% 68.7%

短答式試験は各問題ごとの配点については差を設けることもありますが、法律基本科目(憲法、行政法、民法、商法、民事訴訟法、刑法、刑事訴訟法科目)は各科目いずれも30点満点、一般教養科目は1問につき3点で60点満点の計270点満点。

270点満点中、165点から170点以上を取れば合格する試験です。
つまり、6割ちょっと取れば合格します。

全受験生の平均点は136点ほどですから、これでは合格点に足りていません。

合格した人の平均点が、185点以上ですので、7割弱を得点しています。

短答式試験に合格する目標として目指す割合がわかるかと思います。


司法試験予備試験論文式試験について

論文式試験は毎年7月に2日間かけて行われます。

トータルの試験時間は12時間以上

2日間とも朝の9時から17時半ごろまであり、試験科目は憲法・行政法、刑法・刑事訴訟法、一般教養科目、法律実務基礎科目(民事・刑事)、民法・商法・民事訴訟法です。


論文式試験の合格率

司法試験予備試験論文式試験合格率推移
年度 短答合格者 論文受験者 論文合格者 論文合格率
2015年(H27) 2,294 2,209 428 19.4%
2014年(H26) 2,018 1,913 392 20.5%
2013年(H25) 2,017 1,932 381 19.7%
2012年(H24) 1,711 1,643 233 14.2%
2011年(H23) 1,339 1,301 123 9.5%
合計 9,379 8,998 1,557 17.3%
平均 1,876 1,800 311.4

論文式試験は平均して1,800人ほどが受験して、300人強から合格しています。

平均合格率は17%強。

短答合格者の2割弱が合格する試験です。

短答に合格しても8割以上が不合格になっています。


はじめは100名ちょっとの合格者でしたが、400人程度合格しており、合格率も2割程度に収まっているようです。


論文式試験の配点、合格点、平均点、合格者の得点率

司法試験予備試験論文式試験の合格点や平均点の推移
年度 配点 合格点 平均点 合格点得点率
2015年(H27) 500 235 199.73 47.0%
2014年(H26) 210 177.80 42.0%
2013年(H25) 210 175.33 42.0%
2012年(H24) 230 190.20 46.0%
2011年(H23) 245 195.82 49.0%
平均   226 187.8 45.2%

論文式試験の配点は、法律基本科目及び一般教養科目については各科目いずれも50点満点で、法律実務基礎科目については、民事及び刑事につきそれぞれ50点とし合計100点満点で、総合計500点満点の配点となっています。

年によってばらつきがありますが、最低でも210点取れば合格する試験となっており、4割強という資格試験の中ではハードルが低い試験と言えるかもしれません。

ですが、短答を合格した人たちが受験しても平均点は200点未満ということで、問題の難易度が相当程度のものだとわかります。


司法試験予備試験口述試験について

口述試験は毎年10月の2日間行われます。

試験科目は法律実務基礎科目(民事・刑事)です。

それぞれの科目には毎年テーマが設定されており、法的な推論、分析及び構成に基づいて弁論をする能力を有するかどうかの判定が行われます。


口述試験の合格率

司法試験予備試験口述試験合格率推移
年度 論文合格者 口述受験者 口述(最終)合格者 論文合格率
2015年(H27) 428 427 394 92.3%
2014年(H26) 392 391 356 91.0%
2013年(H25) 381 379 351 92.6%
2012年(H24) 233 233 219 94.0%
2011年(H23) 123 122 116 95.1%
合計 1,557 1,552 1,436 92.5%
平均 311.4 310.4 287.2

口述試験は、平均して300人強が受験し、300人弱が合格します。

短答式や論文式と違い、その難関を突破したほとんどの人が受験して90%以上が合格する試験となっています。


最終合格について

口述試験に合格すると、最終合格です。

最終合格率は次の通りです。

司法試験予備試験合格率推移
年度 出願者 受験者 最終
合格者
対受験者
合格率
対出願者
合格率
2015年(H27) 12,543 10,334 394 3.81% 3.14%
2014年(H26) 12,622 10,347 356 3.44% 2.82%
2013年(H25) 11,255 9,224 351 3.81% 3.12%
2012年(H24) 9,118 7,183 219 3.04% 2.40%
2011年(H23) 8,971 6,477 116 1.79% 1.29%
合計 54,509 43,565 1,436 3.30% 2.63%
平均 10,902 8,713 287

出願者や受験者からすると、3%程度の合格率ですので、旧司法試験並みの難関試験ということがわかります。

受験者層も大学生や法科大学院生を中心とした層が受験してのこの合格率ですので、その難易度がどれほどのものかわかるかと思います。

職種や学歴別の合格率詳細はこちら。


細かく分けると短答式を受験した人たちの2割程度が合格し、短答合格者で論文式を受験した人たちの2割程度が合格し、論文合格者の9割以上が口述試験に合格、つまり最終合格しているということです。

短答式では最低6割強、論文式では最低5割弱の得点が必要となります。


予備試験はあくまで通過点

以上のように予備試験はかなりの難易度を誇る難関試験ということがわかりますが、予備試験に合格したままでは意味がありません。


予備試験は司法試験という本選のための予選

予備試験は、法科大学院を経由せずに司法試験を受験できる、あくまで受験資格です。

予備試験は予選であり、司法試験が本選です。

司法試験に合格しなければ、せっかくの難関試験も無意味になってしまいます。

司法試験を含めての試験と考えると、予備試験の1次試験的な位置付けで、道半ばです。


予備試験合格者の司法試験合格率は高い

予備試験という難関試験を突破した合格者は、司法試験において、どの法科大学院生より合格率が高いです。


司法試験における予備試験合格者の合格率と順位

予備試験合格者の司法試験合格率と順位
年度 予備試験合格者
の合格率
合格率
の順位
合格率トップ
法科大学院
院トップ
の合格率
予備試験合格者
と院トップの差
2015年(H27) 61.8% 1 一橋大 55.6% 6.5
2014年(H26) 66.8% 1 京都大 53.1% 13.7
2013年(H25) 71.9% 1 慶応大 56.8% 15.1
2012年(H24) 68.2% 1 一橋大 57.0% 11.2

予備試験合格者が参戦した平成24年の司法試験以降、合格率ランキングでずっとトップ。

それも一番高い合格率の法科大学院より10%以上も高いことも多い結果が出ています。


予備試験合格者の司法試験合格者数も多い

予備試験合格者は合格率だけでなく、合格者数も多く、平成27年試験では合格率者数でもどの法科大学院より多く、トップになっています。


司法試験における予備試験合格者数と順位

予備試験合格者の司法試験合格者数と順位
年度 予備試験合格者
の合格者数
合格者数
の順位
合格者数トップ
法科大学院
院トップ
の合格者数
2015年(H27) 186 1 中央大 170
2014年(H26) 163 3 早稲田大 172
2013年(H25) 120 6 慶応大 201
2012年(H24) 58 10 中央大 202

初受験の平成24年にいきなり10位でしたが、それ以降どんどん順位が上がっていき、2年目には3ケタ合格者を出しています。

合格率は初回からずっとトップでしたが、合格者数でも最大勢力になっています。

予備試験の合格者数は年々増えていますので、この傾向はこれからも続くと予想されます。


司法試験の結果を見ても、予備試験はかなりの難易度の試験ということが裏付けられていると思われます。

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