検察官は主に「刑事事件」を取り扱います。
検察官には、検察庁法に定められたとても大きな権限があり、
国家を代表して犯罪者を裁判にかける請求する権限があったり、
起訴するかしないか判断する権限があったり、あらゆる事件・犯罪であっても捜査をする権限あったりと、
検察官一人ひとりに強大な権限が与えられています。
起訴する権限が検察官にあるということは、被害者が容疑者を裁判にかけて処罰してほしくても、
検察官が起訴する必要がないと判断すれば裁判にかけることができません。
犯罪や事件が起きると、警察官が調査した資料を見たりして、容疑者の取調べ、事情聴取を行った上で、
裁判にかけるかどうか(起訴するか、不起訴にするか)を決めることができるわけです。
警察官が身柄を送検した容疑者はまず24時間取り調べ、
その時間で判断が付かない場合は裁判所に勾留請求をし、
許可が下りれば10日間、
その10日間でも無理なら更に10日間の勾留延長、計21日間の時間があります。
この期間に証拠が集められなければ証拠不十分で有罪にはできず、時間との戦いとなります。
また、独自の捜査を行うこともでき、地検の特捜部・特別刑事部などが大物政治家や大企業の汚職や脱税、
経済事件などの社会的に影響が大きい事件について警察官の捜査を経ることなく
捜査、逮捕、取調べ、起訴することができます。
ダンボールをもって乗り込んでいく姿をニュースで時々見ることができますが、まさにそれです。
これら政治に関する犯罪、脱税・経済に関する犯罪はかなり高度な専門知識を要するので、
通常事件のようにまず警察ではなく検察官自ら独自捜査を行います。
このような事件・犯罪には大きな組織が組織ぐるみで行っていることが多いので、
まさに巨悪に立ち向かうことになります。
この場合、警察のように武器の携帯や使用、職務質問などの権限はありません。
さらに、裁判所において、起訴した事件を明らかにし原告側に立って裁判所に適正な刑罰を求刑したり、
被告人の弁護人と犯罪事実について確認したりします。
公判に関する主な仕事は次のようなものがあります。
- 事件記録チェック
- 被告弁護人との争点の確認
- 証拠整理
- 冒頭陳述書作成
- 冒頭陳述書等朗読
- 証拠の提出
- 証人尋問
- 反対尋問
- 被告人質問
- 論告、求刑
- 懲役刑や罰金刑などの刑の執行を指揮監督
- 起訴に関する書類作成、提出
など。
検察官がすべて同じような仕事をするわけではなく、捜査・起訴を主にする人、公判を主にする人、
捜査から公判までこなす人と、様々です。
他にも検察事務、法務省に勤務して行う行政事務、国際的な事件にかかる犯罪者の引渡し・証拠の提供などの国際捜査などがあります。
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